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もしもスーパーマーケットのアプリを作ることになったら(後編-2)

メグリでプランニングを担当している篠キチです。

書き始めた記事が、話が膨らみすぎて収拾つかなくなってきて、とりあえず3部作にすることにしたはいいものの、なんとまさかの第四章突入。3部作なのに。
仕方ないので、今回のタイトルは『後編-2』です。

なんかFINAL FANTASY X-2とかFINAL FANTASY XIII-2とか思い出しますね。


3回で終わるはずだった前編・中編・後編はこちらからどうぞ


プッシュ通知をどう活用すべきか

「プッシュ通知」はアプリを導入する理由として挙げられることが多い機能です。この記事の中編でも書いたように、DMのように印刷代や切手代をかけずに情報が送れる点や、メールと違って送る側のタイミングで見てもらいやすい即時性が魅力として大きいのかなと思います

プッシュ通知については詳しい情報をまとめた記事がありますので、お時間あるときにでもご覧ください


このようにアプリを導入する大きなメリットと考えられているプッシュ通知ですが、実は最近は開封率というか、そもそもの到達率が下がっている傾向があります。

理由の1つとして、プッシュ通知を送るアプリがあまりにも多く、プッシュ通知=ウザい と感じられるようになり、通知を拒否される傾向が強まっていることがあります

まずiOSの場合はアプリ起動時などのタイミングでユーザーにプッシュ通知を送っていいか確認を取り、許可してくれないと送ることができません
さらに、このタイミングで「時刻指定要約で許可」を選ばれてしまうと、こちらが通知を送ったタイミングでは見てもらえなくなってしまいますし、要約にまとめられてしまうことで1つ1つの通知に気づかれにくくなってしまい、プッシュ通知のメリットがほぼなくなってしまいます。

また、Androidは長い間この許可が不要だったんですが、Android13からはiOS同様必須に変更されました。

iOSのプッシュ通知許可のダイアログ
「許可しない」が太字になっているためかどうかわかりませんが
ここで許可しないが選ばれる傾向は年々強まっているように感じます


さて、みなさんもう全く覚えてないと思いますが、僕が妄想したスーパーマーケットの設定にはこんなものがありました

毎週水曜日は冷凍食品40%引き、毎日20時以降は総菜30%引きのようなお約束のセールがある

もしもスーパーマーケットのアプリを作ることになったら(前編)

まあ、よくあります。僕も働き始めたばかりの頃、帰り道にあるスーパーの揚げ物コーナーが半額になる時間に毎日通ってました。
あまりに通いすぎて不憫だったのか、最終的には半額からさらに値引きしてもらったうえ、おまけで2、3品追加してくれちゃうくらい仲良くなってました。いまの僕があるのはあのスーパーのおかげです。知らんけど。

で、それはいいとして、こういうお約束の情報をプッシュ通知でお知らせしたいという要望はよくあります。ただ、個人的にはこの手の情報を全てのお客様に一律に送るやり方はあまりオススメしません。


こういった定番的な情報をリマインダーのように送るのは、お店側はよかれと思ってのことなんですが、お店を常用いただいてる方にはお知らせされるまでもない内容ですし、興味ない人にとってみたら同じ内容の通知が毎週同じ曜日・同じ時間に送られてくるのは「ウザい」以外の何ものでもありません。
もちろんリマインダ機能をアプリに実装し、プッシュ通知でお知らせするというのも考えられますが、それだけが目的なら個人のスマホにカレンダー登録できるようなリンクをつけておく、だけでも十分なように思います。


そもそもスーパーマーケットの場合は来訪頻度もリピート率も高いので、店頭でしっかり告知できている情報をアプリで再周知することには、あまり価値を感じていただけない可能性が高いです。

もし、この情報を活用したプッシュ通知をするのであれば、少し疎遠になってしまっているお客様にお店の特長を伝え、お店の存在をあらためて認識してもらうために使った方がよさそうに感じます。
購買データ等から最近来店されていないお客様だけに対象を絞って、頻度ももしかしたら四半期に一度程度で十分かもしれません


プッシュ通知を受け取るメリットを明確にしておく

ただ、お客様の再訪を促す手段としてプッシュ通知を活用しようと思っても、プッシュ通知自体を拒否されてしまっているとそもそも届けることができません。拒否率は年々上がっているので、このあたりの対策は考えておく必要があります。

一般的な対策として、プッシュ通知の許可ダイアログを出す直前に、許可したときのメリットをわかりやすく伝えるという方法があります。

プッシュ通知の許可ダイアログを出す前に
きちんとメリットを伝えて許可率を上げる工夫が大切
(家族アルバムアプリ「みてね」のスクリーンショット)
©MIXI

スーパーマーケットの場合であれば、例えばプッシュ通知を受け取った方だけが受け取れるクーポンを用意するなど、アプリならではの特典と組み合わせたメリットを準備するやり方が考えられます。

プッシュ通知の許可の判断はインストール直後のタイミングでほぼ決まってしまい、それ以降は拒否率は上がりやすく、再度許可してもらうのは非常にハードルが高くなるので、まさにはじめが肝心と言えるかもしれません。
アプリをリリースするタイミングから、対策を考えて準備ができているとベストでしょう。


ECサイト・ネットスーパー連携のヒント

僕が妄想した設定にはこんなものもありました

ECサイトはあるけど、ギフト品が買えるくらいであまり力をいれていない

ネットスーパーはAmazonネットスーパー(あるいは楽天全国スーパー) を最近始めた

もしもスーパーマーケットのアプリを作ることになったら(前編)

普段あまり意識されてないかもしれませんが、スーパーのレジの近くやサービスカウンター周辺に、ギフト品がよく置かれています。時期が来るとお中元・お歳暮品も並びます

あれを販売するECサイトが用意されてる事例は結構多いのですが、取扱品がギフト品だけだとあまり力を入れて連携するという話にはなりません。
実際、アプリにリンクを置いて、ブラウザで開けるようにしておくだけという対応にとどめることは多いです。

急にギフト品が必要になったときに身近な店舗に用意されているのは便利ですが、ECを利用するとなると話は変わってきます。普通はAmazonや楽天市場を使うでしょう。
サービスとしてECを用意してはいるものの、よほどオリジナリティのある商品の用意が無い限り、ギフト品のECに必要以上の力を入れる理由はあまりないのかもしれません。
であれば、わざわざアプリと連携させるほどのメリットも生まれないということなのかなと思います


また、スーパーマーケットのECと言われたときに、ネットスーパーのことを思い浮かべる方も多いと思います
これを実現する際にすぐ思い浮かぶのは、ネットスーパー向けのプラットフォーム『Stailer』を提供している10x社さんですが、それ以外にも楽天全国スーパーやAmazonフレッシュなど大手ECモールが提供するサービスを使う方法もあります。
いずれにしても通常の店舗で使うアプリとは利用シーンが全く異なるので、連携するといってもネットスーパーのアプリを起動できるリンクをつける程度にとどまることは多いです。

ただ、ネットスーパーと店舗のお客様を同じIDで判別できるようにして、将来に向けて備えておくことは視野に入れておくべきかもしれません。
実際、ベイシアさんは楽天全国スーパーのサービスでネットスーパーの事業を展開されるにあたって、通常は楽天IDだけで利用できるサービスを、アプリでも利用しているベイシアアプリIDとの連携を必須にされています。
これには店舗利用のお客様とネットスーパー利用のお客様のデータを統合的に分析したいという目的があるのでは? と考えています

ベイシアネットスーパーの利用には
楽天IDとベイシアアプリIDを連携させる必要がある
© Beisia


BOPIS活用の話

ECと関連する話で、さきほどネットスーパーの例を挙げたベイシアさんのアプリには「予約」という機能があり、アプリIDと連携したECサイトが組み込まれています。

注文と支払いをECサイトで行い、商品は店舗で受け取る、いわゆるBOPIS(Buy Online Pick-up In Storeの略:オンラインで支払い、店舗で受け取るの意) を実現しています。

ベイシアアプリの予約機能の画面
商品の注文手続きを始めると、まず受取店舗の選択を行う画面になる
© Beisia

ベイシアさんはこの仕組みを使って季節商品の恵方巻の販売を行い、売上を一気に伸ばしただけでなく、事前に販売数の見通しが精度高く立てられるようになったため廃棄ロスを大幅に減らすことにも成功されたようです。

ベイシアさんはこのためにECサイトを構築し、アプリとのID連携まで実現しているのでかなりの投資をされてますが、単にアプリから予約のみを受け付けて、店頭で受取・支払いをする流れに割り切れば、Googleフォームのような仕組みを使うだけでも近いことは実現できます。
まずはコストを抑えながらこういった取り組みにチャレンジしてみるのも悪くないと思います。



さて、3部作と見せかけて4回にわたってお送りしてきました「もしもスーパーマーケットのアプリを作ることになったら」ですが、今度こそ本当に最終回です。


妄想の設定をもとにいろいろ考えてきましたが、実際にスーパーマーケット向けのアプリを作るとなると、途中で例に挙げたお買い物メモ機能のほかにも、チラシの機能、レシピのコンテンツなどまだまだ考えることはたくさんあります。
また妄想で挙げた条件が1つでも違っていたり、そのスーパーの立地や商圏の特性の情報が増えれば、おそらくその都度、僕は違った提案を考えると思います。もちろん予算の問題もあります。

同じスーパーマーケットという事業であっても、お店ごとにそれぞれ個性や特長があるように、アプリの最適解も違ってきます。

妄想の条件としてあげたのはたった6個ですが、それでも延々16,000文字かけて話すくらい考えることは多いわけです。

MGReというアプリプラットフォームには、小売業を中心に便利な機能を最初から揃えてありますが、メグリという会社はそれを活用しながら、これくらいしつこくアプリのことを考えて提案しようとする会社だということを、ご理解いただけたら幸いです。しつこすぎてイヤだなあと思われたらすみません。そのときは僕よりしつこくない担当をご紹介したいと思います


こんな感じに話が長くなりがちな担当者がいる会社ですが、アプリのことには常に全力投球で取り組んでいますので、一度話を聞いてみたいと思っていただけたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです