アプリレビューに関するあれこれ
メグリでプランニングを担当している篠キチです。
アプリを運営している立場としてはどうしても気になるAppStoreやGooglePlayにユーザーから投稿される5段階の評価とレビュー。
アプリのプラットフォームを提供している我々も、ご利用いただいているクライアントのアプリ評価やレビューは気になるものです。
評価のほうはアプリがアップデートされるタイミングでリセットすることもできますが、お客様の生の声として投稿されているレビューに関してはずっと残ってしまうので、厳しいお声が届いてしまうとなかなか辛いものがあります。
ただ、実際に投稿されているレビューを見ると「?」と思わず首をかしげてしまう内容のものがあるのも事実です。
例えば…
これはマズいですね。非常にマズい。首をかしげるどころか、首がもげそうです。飛べない豚はただの豚と言いますが、起動しないアプリはアプリですらありません。
弊社のMGReでアプリを作っていて、こういうレビュー投稿がされた事例は僕が知る限りなかったと思いますが、他社アプリのレビューにこういう投稿がされていたのは見たことがありますし、意外と実在します。当然、評価も★☆☆☆☆ みたいな感じで1がついています
まだMGReのサービスをはじめる前だったと思いますが、実際にアプリがまともに起動しないのでなんとかしてほしいという依頼はお受けしたことがあって、弊社でアプリのリニューアルをしたところ
という内容で高評価なレビュー投稿をしていただいたことがあります。まあ、何というか敷居が低すぎてアレですが、ありがたいことです。
とにもかくにも、そもそもアプリが起動しないなんて問題が起きてるようなら、レビューどうこう以前の問題なので、まずはアプリを直すか作り替えるところから始めましょう。弊社にご相談いただければ確実です。
お客様の声をお受けする窓口をわかりやすく
さて、ここからはとりあえず起動するアプリのレビューについて考えていきたいと思います
アプリと関係ないじゃん! と思われると思いますが、こういう投稿は意外と多いです。お怒りなので当然評価も★☆☆☆☆ みたいな感じになりがちで、アプリとは関係ないのに評価の平均値が大きく下がってしまったりします。
運営側からすると「アプリに関係ないことを投稿しないで欲しい」と言いたくなるところですが、言ったところで投稿がなくなるわけではないですし、実はアプリ側にも対応・改善の余地があります。
まず、このクレームをアプリのレビューとして書くべきことではないことはお客様自身もわかっていると考えた方が自然です。場違いなのは明らかです。しかし実際に書かれてしまっている。では、なぜここに書かれてしまったのか。
この原因は、お店のスタッフさんに対して非常に憤っているお客様が、その感情をお店なり会社なりに言いたくてしょうがないのに、それを受け止める場所が用意されてないことにあります。どこに思いをぶつけたらいいのかわからなくて、余計にイライラしてしまい、感情も増幅されてしまう。
この抑えきれない感情をぶつけられる場所として思いつくところが、アプリのレビュー欄しかなかった、というのは意外とあるあるな話なのです(最近はSNS投稿されてしまうことも多いと思いますが)。
アプリ側で改善できる可能性があるポイントはここです。クレーム等をお受けする窓口をアプリ内のわかりやすいところにきちんと用意することです。
お受けする仕組み自体はGoogleフォーム等でも十分です。こういった導線を用意するだけでも、場違いなレビュー投稿で評価を下げられてしまう事態をある程度防ぐことが期待できます
もちろんお受けするだけではなく、メール等できちんとした対応までセットで行うことが肝要であることは言うまでもありません。
レビューにきちんと回答する
…ガチャが当たらなくてイライラする気持ちはわかります。とてもよくわかります。
それに僕自身クジ運もそんないいほうではないので、抽選販売の枠みたいなのも正直当たった記憶がありません。
これも前項の店舗スタッフに対するクレーム投稿同様、アプリの評価とはいえない内容で場違いではあります。
ただアプリを使っている最中に起きていることなので、アプリに対する評価としてつけられるのもある程度は仕方ないかなという気はします。当たらないからこのアプリ使うのはやめておけ! と世間に知らしめたいという、やり場のない悔しさからくる強い思いもあるでしょうし。
こういった類の投稿に限った話ではありませんが、レビューに対して1件ずつ丁寧に返答するというのは、できる限りやっておくべき対応です。
まっとうなクレームやご意見に回答さしあげるのはもちろんですが、例として挙げたガチャや抽選への不満といった、評価とは言えないような内容のものでも誠意を持った対応をすることは大切です。
そのやり取りはアプリをダウンロードしようとしてストアを訪れたお客様の目にも入るからです。
また返答を受け取ったことで、評価・レビューをつけなおしていただけたり、取り下げていただける可能性もあります
※自身が投稿したレビューや評価はあとで変更したり削除できます
また、評価はリセットされてもレビューは残ってしまうということを書きましたが、この影響で現在は解消されている不具合やバージョンアップによってすでに消滅している機能のレビューが放置状態になっているものもよく見かけます。あまりよい状態とはいえません。
特にアプリをバージョンアップしたりリニューアルした際には、過去のレビューに対して不具合が解消したことや、リニューアルによって快適なアプリに変わったことを返答し、ストアにきたお客様にも現在の状況が正しく伝わるよう努力する必要があります。
最終的には地道な工夫・改善で応えるしかない
MGReは小売向けのアプリに採用されていることが多く、こういうレビューをいただいてしまうことはしばしばあります。これはもう申し訳ないという気持ちしかありません
まあ、正直なところアプリプラットフォームを作っている立場からすると「節子、それアプリが遅いんやない……ECサイトが遅いんや…」とか思わなくもないですが、ただ、こういう不満が噴出するのは
レアな限定商品の販売が深夜0時に開始された
TVで商品が紹介された
セールのお知らせがプッシュ通知で送られた
などの理由で、アクセスが一気に集中したときに起きることが多いです
こういう突発的なアクセス増にECサイトが即座に対応するのは一般的には難しいと考えています。
また主な原因がECサイト側にあったとしても、アプリ内にECサイトをWebviewで表示して、アプリと一体化したサービスとして提供しているわけですから、お客様的にクソアプリ体験として認識されてしまうのも致し方ありません。
このような急激なアクセス増をスパイクアクセスと呼んだりしますが、おおまかな対処の流れとしては
スパイクアクセスに耐えられるよう、設備増強する
スパイクアクセスが起きないよう、運用で工夫する
といったところになると思います。
1.の対処法はいくつか考えられますが、アプリだけ頑張っても解決しない可能性が高いので、基本的には連携しているECサイトと足並みを揃えて対応を考えていくことになります。コストもかかる話になります。
最近ではECサイト向けに作られた検索サービスを導入する形で対応する事例も増えてきている印象があります。
ときどきECサイトが遅いからアプリで速くしたい、というオーダーをいただくこともありますが、これはそもそも可能かどうかという話もありますし、仮に可能だったとしてもあまりスジのいい話ではないと個人的には思っています。
これらのことは以前弊社で開催したウェビナーでもお話ししたことがあるので、お時間あればご覧いただけると参考になるかなと思います
2.については、購入を早い者勝ちにしないというのが手として考えられると思います。
具体的には前項で例として挙げた「抽選販売」などの方法を取ることです。
抽選自体のアクセスが集中してしまって抽選申込ができないみたいなことが起きると本末転倒ですが、抽選の申込期間に余裕を持たせ、申込順は考慮されないなど抽選が平等に行われることをきちんとアナウンスすれば、スパイクアクセスによるシステム負荷を避け、安定的にサービスを提供することが十分可能ではないかと思います。
こうしておけばプッシュ通知によるアナウンスも一斉に送る必要は無く、アクセスが集中しないよう分散して配信しても不満にはなりません。
リアルな店舗であればあえて行列ができるよう仕向けて、PR効果を狙うようなことも施策としてはあるかもしれません(個人的にはあまり好きではありませんが…)
ただ、オンラインのECサイトにアクセス集中が起きてサイトが落ちたりしたところでお客様の不満がたまるだけで、これが多大なPR効果を生むとは考えにくいように思います。
TVでの紹介によるアクセス増も事前にわかっていれば、紹介された商品限定の予約ページのような特設サイトを用意し、検索広告からそちらに誘導するようにあらかじめ手を打っておく方法も考えられます。
こうしておけば特設サイトのみ一時的な大量アクセスを捌けるよう対策を打つだけでリーズナブルに対応でき、ECサイトがダウンするような事態もある程度防げるのではないかと思います。
例に挙げた中でセールの対応に関しては、基本的に全商品が対象になることが多いと思うので、これはさすがに設備増強しか手がないかもしれません。
ただ、開始時期は事前にわかっているので、一時的にアクセス増に耐えられるような対応をECサイトにしておく手は取れるかもしれません。
MGReのシステムも通常はアクセス数に応じて自動的に設備増強されるような仕組みが備わっていますが、あまりにも急激なスパイクアクセスには対応しきれない場合があるので、そういう状況が予想される場合には事前にお知らせいただいて、設備を一時的に増強しておくというような対応を行うことがあります。
EC機能を持ったアプリで、こういうレビューはかなり多く見かけます。みなさんも実体験としてあるのではないでしょうか。
同じような話として、レジでアプリのポイントカード(バーコード) を出そうとしたらログインを求められて出すのをあきらめた、みたいなのもあります。
これはアプリ内で表示されているECサイトや会員証・ポイントカードのログイン状態が維持されないことが原因ですが、解消するのは意外と手間がかかることが多いです。
こういった問題はアプリをECサイトやポイントカードのシステムと連携させ自動でログインする機能を作ることで解決できますが、弊社のMGReはこの機能のカスタマイズを得意としていて、これができるからMGReを選んだというお声もいただいています。
すでにアプリを運用されていて、このお悩みを抱えていたり、実際レビューにこういうことを書かれちゃっていたりする場合は、是非一度ご相談ください。
本来はレビューに不満等が書かれないことが理想ですが、そのためにはまずアプリが快適に安定して動作するという基本的なところが重要になってきます。
もちろんアプリ開発をする以上は当然そのつもりで作るわけですが、それを実現する早道として、実績のある開発会社やプラットフォームを選ぶというのは手っ取り早い確実な方法の1つといえます。
MGReはアプリを支える実績あるプラットフォームとして多くの企業にご導入いただいていますので、アプリ開発の話が出てきたときにはまずお気軽にご相談ください。きっとお力になれるのではないかと思います